目次
はじめに
家は建てたらおしまいではないと当初からわかってはいたけれど、子供の教育資金やらローンに追われて見て見ぬふりをして23年。普通の一般的な住宅をリフォームした一部始終をご紹介します。
業者はこちらから質問しないと都合の悪いことには答えてくれません。これからリフォームを検討しているかたのお役に立てたら大変うれしいです。
リフォーム前、自宅の状態
築23年、大手住宅メーカー施行、総2階建ての36坪。屋根材コロニアル、築10年前後で一度塗装。外壁、サイディング。築7年目にメーカーリコールで総張り替えしたため現在の外壁16年目。
きっかけはピンポンしてきた塗装業者
我が家の周辺は1000件ほど立ち並ぶ団地です。
週末になるといわゆる訪問販売と呼ばれる様々な業者がひっきりなしに訪れます。
リフォーム業者も例外ではなく、10年ほどまえから度々塗り替えしませんかとオファーがありました。
確かに外壁を見ると汚れが目立ちみすぼらしいとは常々感じてはいました。
二人の子供の教育資金や、もともとあるローンを支払うのに精いっぱいで見て見ぬふりをしてきました。
これから家を買う人は、マンションの修繕費と同じように戸建ての住宅もぜひ月々積み立てをしておくことを強くすおすすめします。家の修繕は新車並みにお金がかかります。
さて、そのようなことでつい先日、たまたま仕事が休みで庭の草むしりをまったりとやっていた私の元へ一人の営業マンがやってきました。
塗装専門の業者です。
あちこちに営業所があるけっこう幅広い地域を手掛ける中堅どころの業者でした。
子供の教育のめどがついたことや、あと二年で住宅ローンが終わることもあり、そろそろと思っていた矢先だったので、詳しく話を聞いてみることにしました。
業者は、塗装に関する知識が大変豊富で、我が家の状態が今どのようになっているのか詳しく説明してくれました。
訪問業者イコール悪徳だと勝手に思い込んでいましたが、いますぐやらないと大変な事になりますよ!的な煽られるようなことは一切なく好感が持てました。
そんなことがきっかけで、見積をたててもらうことになったのです。
見積は相見積が基本
見積をとったのが以下の3社
- 訪問販売業者(塗装)A社
- 家を施工したハウスメーカーのリフォーム部門B社
- 知り合いの業者C社
こちらの希望は以下の通りです。
屋根は12年前に一度塗装をしているので、今回はカバー工法を考えていること。
外壁は塗装をお願いしたいことの2点。
診断時は立ち合いしたほうがいい
見積りをたてるにあたり、必ず現況診断をするのでその際はいっしょに見て回ったほうがよいと思う。
業者により診断方法は全く違うし、見積りした金額より、追加工事でぐんと料金が跳ね上がってしまったなんていうことがないように要望をきちんと伝えることが大事です。
自分で気になる箇所があったらその旨も伝えたいところですね。
診断結果
A社 | B社 | C社 | |
診断所要時間 | 15分 | 15分 | 30分 |
指摘箇所 | 外壁チョーキング | 外壁チョーキング | 外壁チョーキング |
シーリングはがれ | シーリングはがれ | シーリングはがれ | |
風呂場周り外壁劣化 | 外壁のそり | ||
屋根のさび | |||
屋根の変色 | |||
屋根のきれつ | |||
屋根のうき | |||
とよのはずれ | |||
写真枚数 | 屋根2枚外壁10枚 | 外壁15枚 | 屋根18枚外壁3枚 |
見積書と一緒に、診断書をもってきたのがB社、C社。
一覧にしてみるとよくわかりますが、A社、B社は家を一周回って、遠くから屋根を観察しただけでした。
C社は屋根の上に登れるはしご持参して、屋根の上に登っていました。
実のところ、見積書をもらう前に、診断する様子を観察していて半分C社に傾いてました。
だって、遠目でみて屋根がどうなっているかなんてわからないですから。
A社いわく、屋根は塗装で十分ですよ!と簡単に言っていたけれど、もしかしたら大きな補修が必要なケースだってあるかもしれません。
外からみただけで、果たしてきちんとした見積が出せるのか疑問でした。
見積り内容をみてきちんと判断しよう
ちまたてよく見られる「屋根外壁塗装何十万円!」「比較してくださいどこよりも安くいたします」「簡単見積り、いますぐ電話」なんていう広告をよくみるが、金額だけで判断したり、ネットのみで見積りして判断するのはおすすめしない。家の状態は、100件あれば100通り、実際に専門家にみてもらわないとちゃんとした金額はでない。なぜ相見積もりをとるのか?金額の比較検討して安くしてもらうためではない。業者によってどのように判断するのか、工事をどこまでやるのかが見積書には情報がつまっているのだから。
相見積からみる比較検討
塗料・屋根材の種類によって金額を判断しがちです。
業者は自社の比較材料として、異なる塗料や屋根材で見積書をもってきます。
材料を比較したほうが施主もイメージがわいてわかりやすいからです。
しかし、ポイントはそこではないと思います。
塗料や屋根材は後からでも変更できます。
業者を選ぶ段階では工程チェックが最重要で見積内容に取りこぼしがないか、他社との違いがどこにあるのかを確認しよう。
付帯工事からみる金額差と内容
塗装業者A社 | ハウスメーカーB社 | 地元業者C社 | |
仮設足場 | 136,500円 ※当日契約半額 | 162,112円 | 外壁塗装工事に含む |
高圧洗浄 | 45,600円 ※当日契約無料 | 27,840円 | 外壁塗装工事に含む |
養生費 | 60,800円 | 外部養生 47,680円 周辺養生 35,160円 | 外壁塗装工事に含む |
シーリング | 80,000円 | 269,724円 | 27,000円 |
アンテナ取り外し 取付直し | 記載なし | 25,000円 | 8,000円 |
発生くずの処分費 | 記載なし | 13,250円 | 10,000円 |
(いずれも税抜き価格)
A社については見積当日に契約の場合、足場半額、高圧洗浄無料。A社いわく、近くで他の現場作業中の為、足場をそのまま運べば経費削減になるからとのこと。のちに他の業者にその話をしたところ、足場は現場によって組む内容が異なる為、そのまま運んで作業するには無理があるんじゃないの?と言われました。それ以前に、200万もかけてする工事に見積り一回もってきてすぐ契約ってそんな人いるんですか?。最初の印象がよかっただけに残念でしたが、ここの会社に頼むのはやめようと思いました。
「すぐ契約してくれたら安くしますよ」は今どき逆効果だと思います。
金額差が大きいときには工事内容が違うとみたほうがいいです。私はシーリング部分を見逃してしまって後から少し後悔しました。
シーリングについては別記事でご案内いたします。
屋根カバー工法を選択した決め手
現在の屋根の状態を見せられて、見て見ぬふりをしたつけが回ってきたと思った。
屋根は思っていた以上にぼろぼろでした。
築10年前後で一度屋根塗装を行っていたからそれほではないと安易な考えでした。
一度目の塗装業者が知り合いからの紹介でどんな施工をするのか、テキトーに頼んだ経緯があり、「30万円でいいよ。この家なら足場いらないし、いちばんいい塗料を使うから」という提案にふたつ返事。
当時はお金に余裕があり金銭的なことにこだわりがありませんでした。
素人なりに足場は高いのは知っていたから、そんなに安くできるならとお願いしてしまったのです。
屋根のはじっこの部分に塗り残しがあり劣化していました。
診断してくれた業者いわく、足場がない状態で塗るとこういうことが起こりがちなんだとか。
一度目の塗装が適当であった事、二度目の塗装のタイミングが遅かったことを踏まえると、次の塗装は厳しいと判断しました。
屋根の塗装は10年毎にきちんとして3度が限度だそうです。
カバー工法は一度かぶせてしまうと30年保証があり持ちが違う為、思い切ってカバー工法を選択しました。
あまりの違いに衝撃。屋根カバー工法の金額差
塗装業者A社 | ハウスメーカーB社 | 地元業者C社 | |
ルーフィング | 75㎡ 単価2,800円 210,000円 | 94.6㎡ 単価1,000円 94,600円 | 工事費に含む |
屋根材1 | 1,350,000円 | ||
屋根材2 | 1,575,000円 | 804,100円 | |
屋根材3 | 740,775円 | ||
屋根材4 | 854,900円 | ||
その他記載事項 | 棟板金役物 428,000円 | 雪止め金具 83,700円 | 既存棟撤去 14,000円 換気棟下地補修12,000円 |
合計 | 1,988,000円 2,213,000円 | 982,400円 | 766,775円 880,900円 |
※A社B社は換気棟は塗装処理、C社は撤去で見積り(金額は税抜き)
屋根材がA社、B社同じメーカの同じ商品でもってきたので比較検討がしやすい。B社は大雪に備えて雪止め金具を推奨していた。今でこそなくなってしまった?換気棟はかぶせる場合なんとも違和感があり不格好だと思っていたが、A社は塗りますとも撤去とも話は出ず。B社は基本塗りますが、撤去も可能ですとのこと。C社はあっても意味がないからはずしちゃいましょうとの話だった。
あまりの見積もり差に苦笑するほかないが、A社はよほど塗装で済ませたかったのか?いくら業者間で差があるといっても倍も違えば笑うしかない。おまけに屋根の平米が違うってどういうこと?
どっちが正しいの?
やはり相見積もりは大事。
外壁塗装見積比較
塗料は比較したくても、たくさんのメーカーやら種類がありすぎてよくわからない。
塗料メーカーから聞いた話では近年、塗料の質はものすごく良くなっていて、アクリルだからもたない、フッ素だからいいとは一概に言えないのだそうです。
外壁の種類によっても塗装できるものやできないもの、相性もあるのだそうで、そのへんの話はまた追ってご案内したいと思います。
今回は各々業者さん提案の塗料での見積。(次回塗装目安10年から12年)
塗装業者A社 | ハウスメーカーB社 | 地元業者C社 | |
㎡数 | 121㎡ | 116㎡ | 36坪 |
下塗り | 96,800円 | 278,400円 ※三度塗り記載なし 吹付工事 | 587980円 |
上塗り1回目 | 25,4100円 | ||
上塗り2回目 | 25,4100円 | ||
塗膜剥離保証 | 5年 | 15年 | |
雨どい | 一式 118,000円 | 58,140円 | 40,000円 |
軒天 | 28,440円 | 基本塗装に含む | |
シャッターボックス | 3,960円 | ||
破風板 | 38,380円 | ||
みずきり | 記載なし | ||
しもよけ | 記載なし | ||
エアコンカバー | 記載なし | ||
倉庫 | 記載なし | 記載なし | |
付帯工事 | 242,900円 | 580,766円 | 45,000円 |
諸経費 | 323,404円 | 46,857円保険等 |
A社については、他2種類の塗料で見積あり。中間を掲載。表でもわかる通り、住宅メーカーは各部分すべて㎡数に単価をかけて詳細に見積がでていた。A社C社は下・中・仕上げの3工程ローラー仕上げ。A社は塗料についての説明が詳細で、要望によって選ぶ範囲が広いと感じました。また、倉庫をサービスで塗りますと言ったのはA社のみ。これはうれしいかも。
まとめ
一概にどこの業者がよいとは言えないと感じました。
我が家の場合は築年数23年で屋根・外壁ともに不安があったので、カバー工法を選択した結果、カバー工法を得意としているC社に決定。
もし自宅が築浅で、塗りだけの対応でもよかったなら塗装専門業者のA社を選択していたかもしれません。
ハウスメーカーは割高だと予想はしていたけれど、やはりあれやこれやと金額がかさんだ結果、C社との差額が60万円であったことをうけてC社にしましたが、後々のサポートや細かい配慮などを考慮するとハウスメーカーを選択するのもありだと思います。
あなたならどの業者を選ぶ?相見積もり
金額差はこんなにありました。
A社 | 3,435,940円 | 値引き122,100円 | 合計3,313,840円 |
B社 | 2,479,430円 | 値引き299,430円 | 合計2,180,000円 |
C社 | 1,608,777円 | 値引き8,777円 | 合計1,600,000円 |
※いずれも税抜き金額、金額交渉なし A社B社、同屋根材
もう少し安くしてくれる?なんて交渉すれば金額がぐんと変わるなんてこともあったかもしれませんが、最初高く見積してあとからこんなに安くしますっていうのは誠実ではない。
高い業者と安い業者で差額1,713,840円!!あなたならどうする?
業者さんが決まったら屋根材、塗装の色を決めよう
23年住んでいて、こんなにも自宅を外から観察したことは多分今回が初めてだと思うぐらい色については悩んだ。塗装業者にアドバイスを求めたところ、もともとの色に近いものを選ぶ方が半数だそう。納得。だって他の色にしようとおもったらイメージがまったく沸いてこないから。外壁の色を後回しにして、屋根の材質と色から決めることにした。塗料に比べて色が少なく決めやすかったから。
屋根材は見た目と金額差を考えた結果メタル建材のオベロンに決定
業者さん提案のメーカーはメタル建材です。
リファーナ
新製品。すっきりとシンプルに見せる横葺き屋根材。
見積金額
切妻屋根80㎡ | 650,000円 |
屋根面積割増 | 24,375円 |
寄棟屋根の割増し | 66,400円 |
合計 | 740,775円 |
オベロン
天然石をガルバニウム鋼板の上に施した美しい南欧風な化粧屋根材。
見積金額
切妻屋根80㎡ | 760,000円 |
屋根面積割増 | 28,500円 |
寄棟屋根の割増し | 66,400円 |
合計 | 854,900円 |
実際に屋根材を見せていただいて、10万円の金額差ならとオベロンに決めた。
カバー工法の場合、選ぶ屋根材によって単価が異なる為、どのようなものを扱っているのかを聞いてみるのもよいかもしれない。選ぶ材質によってイメージがガラリと変わるのもカバー工法の魅力だ。
屋根材が決定したら次は色だが、もともとが黒のコロニアルでサッシも黒であることから屋根も黒にしようと考えていた。業者の提案で、緑が美しいですよの一言で心が動き、実際に屋根材を比較した結果、緑に決めた。近くでみると、黒と緑の差はよくわかるが、屋根に乗せてみるとそれほどはっきりとした違いはなく、日の光があたるといくぶん緑なんだなとわかる程度だった。
外壁塗装はエスケー化研のプレミアムシリコン
さて、いよいよ塗料の色選び。カタログで色見本を見せてもらったが、まったくイメージがわかない。もともとも色が赤茶色だったが、暗い色は紫外線を吸収しやすく、いくぶん劣化する速度が白いものよりも早いと聞いていたので今回は明るい色にしようと考えていた。同じ白っぽい色でも何種類もあってすぐ決定できないので、サンプルを作ってもらうことにした。色選びで悩んだらぜひ塗装業者さんに相談してみて。サンプルサービスがあったらおすすめ。
はい、何が違うの?失敗しました。せっかく3種類も選んで作ってもらったのに、似たような色を選択してしまった結果、違いがよくわからない。かつ、色見本から選んだものとサンプルではまったくイメージが違った。業者から色見本は実際に塗ったものより暗く見えますと聞いてはいた。しかし、こんなに真っ白だとは思ってもいなかった。私の場合色決めにぐずぐずしていたため、それほど時間がない。そんなわけで、カタログ見本で、サイディング塗り替えイメージに使われていた色を選択した。かなり不安。
こういうことがないように、色見本はこれでは濃いかなと思うぐらいのものを、そしてサンプルを作ってもらうならイメージが大きく違うものを選ばれたほうがよいかもしれません。
業者が施工した物件が近くにあるようだったら見学したほうがいいかもしれません。