目次
学歴ロンダリングって?
学歴ロンダリングとは、最終学歴の大学名よりもネームバリューの高い大学の大学院(修士)へ進学することを言います。最終学歴が、修了した大学院になるため、学歴をごまかすという意味で『学歴ロンダリング』と言われています。
私は私立理系大学(偏差値50)から国立理系大学院(偏差値63)へと学歴ロンダリングしました。この記事では大学院における学歴ロンダリングのメリット・デメリット、難易度、社会人になってからの影響などについて解説します。
メリット
就職・転職活動が劇的に有利
なんと言っても1番のメリットは、チャンスを掴める事です。書類、一次審査で落ちる確率が劇的に下がるということです。最終学歴の大学名によって、面接すら受けられない企業がたくさんあります。
「学歴で判断するなよ」って思う部分もありますが、これが現実です。まあ、採用側の立場に立てば当然ですよね。仮に採用した人間がポンコツだった場合、その人が高学歴であれば「まあ、しょーがないよね、高学歴だし、面接で見抜けないよね」となりますが、低学歴であれば「なんであんなやつ取ったんだ、面接でわかるだろ」って言われてしまいますからね!
たかだか数時間の面接で見抜くなんて不可能です。さらに書類選考、一次面接は重役でない人が行います。つまり、そんなに決定権があるわけではありません。だからこそ、その人を取った【理由】を明確に説明できる必要があります。理由を説明するために最終学歴は1番わかりやすいですよね。客観的だし。
私が進学した大学院では企業からの推薦面接が多く用意されておりました。(当然、大学時代はありませんでした。)また、通常選考でも学歴フィルターに引っ掛かる事はなく、6社程度受けて書類選考・一次面接で落ちたことはありませんでした。
学歴ロンダをしても、私のスペックは偏差値50の私立大レベルです。そんな低スペックの私が無敗だったのは間違いなく、最終学歴によるものだと確信しています。私は、大学時代には就職活動をしなかったため、直接比較することはできませんが、大学時代の友人の結果を踏まえても間違いなく、確実に学歴フィルターが存在することを実感しました。
また、奨学金免除・授業料免除についても国立大学の方が充実しています。そしてそれらの免除が受けられるように書類やボランティア活動など色々と準備が必要なのですが、それらのマニュアルやコツなどの知見が国立大学の方が豊富にあります。私のときと今の学生さんとでは状況も変わっていると思いますが参考までに。
入社後の部署配属
そして入社してからもこの最終学歴は影響します。前提としてですが、理系メーカーで技術系の仕事をする場合のみに限らせて下さい。
日本の多くの企業は入社してから配属が決まります。これからこのような流れは変わっていくと思いますが、まだしばらく続くと思います。一般的な企業では、入社後に全体研修を実施し、その後人事が適正を見て配属を決定します。この「適正を見て」というのがかなりテキトーなんです。まじでテキトー。技術系希望しているのに営業系にいくこともザラにあります。ですが、大学院卒であれば別です。そして最終学歴が高い程、希望を通してもらえます。
理由はシンプルに辞めてしまうから。研究職を志望している大学院卒を営業系とか製造系に配属したら辞める可能性が高いです。それがわかっているから、大学院卒(特に高学歴)の方が希望を通してくれる可能性が高いです。
30歳でも残る学歴フィルター(転職活動)
また、転職活動でも確実に有利に働きます。私は30歳になる年で転職活動をしましたが、このときも有利に働きました。明らかに私のスペック以上の評価が得られました。正直、大学院卒業してから6年が経っているので、関係ないと思っていましたが、間違いなく学歴フィルターは残っていました。大学時代の友人の転職活動の様子と比較すると明確にわかります。
よく聞かれる懸念事項
学歴ロンダリングって指摘されないの?
新卒時就職活動、入社後の部署配属、30歳時の転職活動の経験について説明しましたが、最も重要なことは、これらの恩恵が最終学歴のみに依存しているということです。学歴ロンダリングについて指摘されたことはありません。
これは今の企業の上層部が「学歴ロンダリング」を知らないからです。大学入試難易度 ≒ 大学院入試難易度と思っているからです。実際は全く違います。
私立理系大学(偏差値50)スペックの私でも東京大学の大学院に進学することは可能だと思っています。(東大へは進学はしていませんが、過去問の難易度を見た感じです。)昔は大学入試難易度 ≒ 大学院入試難易度だったみたいですね。
今後は、「学歴ロンダリング」の存在を知る世代が重役につくことになるので通用しなくなってくると思いますが、少なくともあと10年は効力があると思います。ぜひ有効に使って下さい。
研究内容が変わることのデメリットは?
学歴ロンダリングすることで、大学と大学院の研究内容が変わることを不安に感じるという方や、1年分の研究が減ること(学部4年次の研究)がいますが、大学院の研究成果などどうでも良いと思っています。
私は正直、研究内容などなんでも良いと思います。研究内容が変わることで失うものはないと思っています。
大学院での研究成果などほぼ100%、その後の人生において影響を与えません。あくまで大学院へいく目的は、就職です。
新卒採用時に企業が重要視する点は、志望者のポテンシャルのみです。大学院の研究と、実際に入社して担当する業務の専門性が一致する事は、ほぼゼロだと思います。私の同期では5%もいないと思います。よって入社後にゼロから勉強し直す必要があるので、大学院で何を研究していたかを重視するような企業はほとんどないと思います。そのため、ドクターコース(博士)に進学して学問を突き詰めるような道を目指してないのであれば、繰り返しになりますが正直研究内容など、なんでも良いと思います。
内部生からの誹謗・中傷
まずありません。優秀な大学では編入、大学院からの進学、留学生など外部から入ってくる人は山ほどいます。当たり前であり、日常なのです。そんな「学歴ロンダリングのくせに」とか、「学歴が欲しかったんだろ。」とか言ってくる人はいません。むしろ、外部からの人にとても親切で丁寧に内部の状況とかを教えてもらえると思います。
授業についていけるか?
これも問題ないと思います。日本の大学・大学院であれば基本的に卒業させようとしますので、テストが全くできず進級できないとかまずありません。大学院は基本的に研究をすることがメインなので、そんなに時間を取られるような重い授業はありません。私立理系大学(偏差値50)スペックの私でも落とした単位はひとつもありませんでした。
デメリット
唯一のデメリット?というか辛かったことは、周りと自分のレベルの差が違いすぎることです。入る前からわかってはいたけど(笑)。劣等感で満たされて、絶望しました。だれもばかにしてきませんが、ただ勝手に自分がヘボいことが悔しくて、苦しかったです。ほぼ同年代のなのにこんなにもレベルが違うのかと。でも半年で慣れます。人間は慣れる生き物なんです。途中から比べなくなります。比べたらメンタルが崩壊して生きていけないからです。
でもこの劣等感で満たされて絶望するという経験はその後の人生に本当に役立つと思います。私は大学院のときに優秀な人に囲まれていたことで、多少の優秀な人に対してビビらなくなりました。社会人になって私より少し優秀な人と仕事をしていてその人にバカにされても、「どんぐりの背比べじゃん?」って思えます。それはもっともっと優秀な人がいることを知っているから。その人達から見れば大差ないレベル差だと知っているから。
だから、若いときに絶望しておくのは良いことなんじゃないかなと思います。ここまで深い絶望を与えてくれる機会はなかなかないと思いますので。
まとめ
人は肩書でしか判断しません。肩書がないとチャンスすらないのです。大学院での学歴ロンダリングは本当にその後の人生を変えます。ポンコツが生きていくためには、必須のツールだと思います。劣等感に満たされ絶望を味わう経験をすることすら、学歴ロンダをするメリットであると思います。
さあ、みんなで学歴ロンダリングしましょう!